JR奈良線

京都から奈良へ、JRを使って移動してみた。深夜の時間帯であり、優等列車ではないのだが、動き始めた時に「ギギッ!」と車両全体が軋む。車内に表示されている形式名を見ると「クハ103-248」どうりで軋むはずだ・・・軽く30年以上は走っていると思う。東京の人には信じられないかもしれないが、関西では国鉄103系がまだまだ現役です。電車は好きなので、古い車両には哀愁を感じますが、大半の人々には「音がうるさく、乗り心地の悪い車両」以外の何物でもないと思われます。この国鉄103系、もちろん京都、大阪、神戸を結ぶ主要路線からは撤退しているのですが、今乗っている京都奈良間などで健在です。JR西日本は、ドル箱東海道新幹線を抱えるJR東海や、首都圏の潤沢な乗客を抱えるJR東日本とは異なり、京阪神アーバンネットワーク以外は赤字路線も多いため、経営状態は決して良くなく、苦しい事情は分かります。以前、広告で「古い車両も大切に使います」と宣伝していた記憶もある。しかし、公共交通機関の最優先は安全であり、いくら更新工事をしていても、金属疲労など、見えないところで長年の痛みが出ているのではないかと素人目にも心配になる。競合の阪急電鉄も古い車両を長く大切に使うことで有名だが、最近は豪華な車両の投入ではなく、やや経済的なコストを落とした新車の大量導入に舵を切ったようである。古いものを使い続ける。競合とのスピード競争に神経を使い続ける。どちらもいずれ無理が来ると思う。車両に関しては経年劣化を考えた時、新車導入こそ、もっとも確実な安全対策のように思う。